お酒の本名はクシといいます。「避けの本名はクシにて、クシはキと約(つ)まる」とあり、御酒(みき)はそれです。
また、時代劇などで言われるササというのは、「壒のうしょう」に、「酒を竹葉といふのは只これ酒の異名なり」云々。ササは竹葉と言ったのです。
「貞丈雑記」に「酒をささとくこんともいふのは、ささは、三三である。くこんは九献である。
酒は三三九度くむを祝とするからである」とあります。
日本でも酒を米の水と称して貴び、霊の水、栄えの水、上がる水等とも称し、慶賀繁栄の意味に使ったことは、即ちこれを飲めば、酔い栄えて楽しむを以ての所以でしょう。