春夏秋冬、冷やしてよし、温めてよし、日本の四季の移ろいの中で、いろいろな楽しみ方ができるのが日本酒の魅力でなかろうか。もちろん、料理と合わせればさらによし。友と語らい、家族と人生をわかちあえる日本酒は最高!
温度帯を変えて楽しもう
日本が他の酒とひと味ちがう魅力は、いろいろな温度で楽しめるところだ。冷やしてよし、常温でよし、燗をつけてまたよし。しかも、同じお酒でも温度帯で味わいががらりと変わるのが面白い。
一般的にいえば、冷やした時はクリアな香りでシャープな味わい、温度を上げていくと、次第に甘みや旨みが引き出されてくる。ゆったり燗につければ、全体に香りも膨らむし、味わいもまろやかになります。そのあたりに気を配りながら、色々な温度で自分の好みを探して見てもいい。夏は涼やかな吟醸酒を冷やして、冬は純米酒を燗につけてふっくらと、四季折々に楽しむのも風情がある。地方の新鮮な名産を使ったお造りか、熱々の鍋か、料理の温度対を意識して合わせるというのも面白い。
春夏は爽やかに楽しむ
ぽかぽか陽気のいい春先や暑い夏には、冷酒や冷で、冷やして飲む酒には、ほのかにフルーティーな吟醸酒やフレッシュな生酒など、すっきりめの味わいのものがおすすめ。ガラスの容器やワイングラスなどで目にも涼しい。濃い目の原酒をオンザロックにしたり、ほのかに甘みのある純米酒を炭酸割りで楽しむのもおすすめ。
秋冬はゆるりと楽しむ
風に涼しさがまじり、食材が豊に実る秋口から熱々の鍋料理が恋しくくな冬にかけて、常温~燗酒でゆるりと楽しみたいですね。秋口からはその都市の酒も熟成して味乗りがしてきます。冷おろしやしっかりボディのある純米酒、生酛系(きもとけい)の酒などがおすすめ。土ものや陶磁器の酒器を楽しみつつ、ふわっとやさしい酔い心地をゆっくり味わいたい。